COMSOL Compilerを用いた加速器電磁場解析アプリケーションの開発
加速器は複雑かつ大規模で高価なシステムであり,その設計・製造には細心の注意を要する.実機の設計では,電磁場,ビームダイナミクス,放射線,熱,構造,流体,電気回路,真空など,多岐にわたる物理シミュレーションに多大な時間を要する.電磁場解析ではCST Studio SuiteやAnsys HFSSが広く使われている.二次元解析ではSUPERFISHやPOISSONも利用されてきたが,現在は配布が停止されており,代替手段が求められている.そこで,筆者は加速器設計用の二次元軸対称電磁場解析アプリケーションを開発した.まず,SUPERFISHやCST Studio Suiteでは解析が困難,あるいは長時間を要する誘電体アシスト加速管のTM0n固有モード解析を対象とした.本解析では,二次元軸対称の電磁場の定式化を行い,COMSOLの曲線メッシュ機能および高次Lagrange要素を採用した.Application Builderを用いて,形状・誘電体境界の入力,メッシュ生成,固有モード計算,共振周波数,Q値,R/Qおよび電磁場分布の表示を一体化し,操作性に配慮したGUIを構築した(図1).さらに,COMSOL Compilerを用いてスタンドアロン実行形式(exe形式)とし,販売可能なパッケージにした.本アプリケーションは,Application Librariesに収録されたモデルを流用せず,またLiveLink製品にも依存せず,支配方程式の定式化からGUIの構築まで独自に開発した.SUPERFISHとの比較では,共振周波数が相対差10^-7のオーダーで一致した.また,メッシュ寸法を変化させた収束試験では,COMSOLモデルがより速い収束を示した.さらに,高次要素の利用により,所要の精度を得るための計算時間を約1/1000に短縮できた.本手法は,配布が終了した従来コードの代替となるだけでなく,解析条件とGUIを用途別に組み込めるため,加速器設計の効率化と解析手順の標準化に有効である.今後は,比較的単純でありながら実用性の高い進行波加速管などへ対象を拡張する.さらに,三次元RF解析やビームダイナミクス解析のアプリケーションソフトウェアの開発を進める.本発表では,COMSOLを使用する利点を含め,これらの加速器用アプリケーションソフトウェアの開発状況を報告する.
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- 発表スライド_加速器電磁場解析アプリケーション.pptx - 1.77MB
- 加速器電磁場解析アプリケーション_final.pdf - 2.5MB
- ポスター_加速器電磁場解析アプリケーション.pptx - 2.58MB
